近頃、女優さんやモデルさん、アスリートがピラティスをしている姿をよく見かけます。
日本でも、石田ゆり子さんや米倉涼子さんが長年実践されていますし、先日のテレビで、広瀬すずさんがピラティスをしている姿も。
しなやかで美しい体をつくるには必須と言ってよいエクササイズとして浸透してきました。
ただ、「ピラティス」って何なのか説明できますか?
☑︎ ヨガに似たもの?
☑︎ ストレッチ?柔軟性?
☑︎ 腹筋?体幹?
これらは、私がこれまで良く耳にしたピラティスのイメージです。
どれも外してはいないかと思いますが、これらを整理し、ピラティスの素晴らしさを歴史的背景からお伝えして行ければと思います。
目次
歴史的背景からみたピラティス
今では、日本でも浸透したフレーズですが、このピラティスというエクサイズは、ドイツ生まれの「ジョセフ・ヒューベルト・ピラティス氏」によって今から100年以上も前に開発されました。
時は、第1次世界大戦。
敵国イギリス近くのマン島に収納されたピラティス氏は看護師として生活していました。
そこで、ピラティス氏は、画期的な器具を開発します。
それが、今で言う「キャデラック」です。
ピラティスメソッドを行う上で欠かせない原点となる器具ですが、こんなにも昔からつくられたと思うと驚異です。
ピラティス氏は、患者がベッドに寝ながらも回復のための治療ができるようにと、ベッドに工夫を凝らし、このキャデラックをつくり出したり、独自の「コントロロジー」というエクササイズ理論確立して行きました。
その後、戦争が終わり、向かった先は、ニューヨーク。
このリハビリエクササイズが、「ダンサー」の間で、脚光を浴びることとなるのです。
1926年、ピラティス氏はニューヨークにてスタジオを立ち上げます。
すると、ダンサーの機能改善にも大きな効果を示し、1940年代にはダンス界にその名を轟かし、1960年代には、いよいよ世界へと「コントロロジー」の人気は広がって行きました。
1967年、83歳でピラティス氏はお亡くなりになられるのですが、お弟子さんたちの想いから「コントロロジー」が「ピラティス」と言う名前へと生まれ変わり、今でも世界中で愛されいます。
といった背景からこれらをまとめると
☑︎ ピラティス氏が開発したエクササイズ。
☑︎ もとは、リハビリエクササイズとして、痛みなどの機能改善の効果がある。
☑︎ ダンサーにも人気で、パフォーマンスアップ向上が期待できる。
と言ったことが分かるかと思います。
ヨガとの違いからピラティスの効果を考える
では、歴史が理解できたところで、エクササイズの効果や中身をお伝えして行こうと思います。
そこで良く引き合いに出されるのがヨガ。
「ピラティスってヨガみたいなエクササイズでしょ!」
って、よく言われますが、似た要素もありますし、間違いではありません。
ただ、その違った要素こそがピラティス独自の要素や効果になりますので、こちらもしっかり整理して行きましょう。
胸式呼吸
ピラティスの呼吸は、「鼻から吸って口から吐く」胸式呼吸。
どちらもお腹を締めた状態でコア(お腹周辺)の安定感を高めながら行ったり、呼吸を強調しながら行うことで、自律神経バランスを整えることを強調する点は同じかと思います。
ピラティスに関しては、口から吐く分、大きくガス交換行いやすいのも利点。
さらには、横隔膜運動がしっかりなされることで、副交感神経のスイッチが入りやすかったり、消化器系の働きを助けたり、これらの効果も期待できるということになります。
ただ、ヨガでも横隔膜運動を促進した狙いとした動きもありますので、どちらが良い悪いではなく、呼吸という観点からの違いと捉えて頂けましら幸いです。
もちろん、利点の多い胸式呼吸ですが、私個人としては、それだけにあまり執着はしません。
そこは長くなるので控えますが、運動機能の観点から、呼吸の使い分けの大切さをスタジオでお伝えさせていただいております。
メンタル面
まず、ヨガは元々「宗教」としてのポージングから成り立ちます。
太陽礼拝、月のポーズ、鷲のポーズなどなど、自然や動物を象徴とした感謝の気持ちをポーズに落とし込んでいることが特徴です。
ですので、ヨガレッスンを受けたことのある方は、分かると思うのですが、ただ動くだけでなく、レッスン内で指導者が、月の満ち欠け、地球・宇宙のエネルギーや精神の話を踏まえてレッスンを進めてゆく方も多く見受けられます。
それに対し、ピラティスは、先ほども話した通り、「リハビリ」としてのスタート。
エクササイズも基本は、「解剖学」に基づいたものになり、原点から見るとメンタルの強調はヨガの方が大きいと言えます。
ただ、ピラティス氏はこのように述べています。
「コントロロジーとは、身体と心と精神の調和である。」
私、個人としてもこの言葉は、常に頭に置きながらレッスンにあたっているのですが、ピラティスレッスンのあとは、体が軽くなり、とにかくスッキリします。
ちょうど2日前、体験にいらっしゃった方は、「地に足がついて安定する感覚がする」とおっしゃっていましたが、自らの軸を知り、その軸を保つことで気がスーッと通るような心地よさも感じられます。
ピラティスレッスンでは、常にセンタリング(軸)を意識します。
自らの身体と向き合い、自らの軸に気がつき、軸をつくることは、自らの心と向き合い、ブレない自分だけの心の軸を磨いて行くきっかけになる。と、私は思います。
ポージングとムーブメント
すなわち、「静止と動作」
ヨガは、先ほども述べましたが、太陽礼拝のように動きながら行うものもありますが、ベースは、静止したポーズがベースになります。
それに対し、ピラティスは、静止する種目もあるのですが、動きながら行うエクササイズがベースとなります。
その中で、動きの癖を分析し、修正して行くことで効果を導いて行きます。
ちなみに、「正しく動く」とはどう言うことか。
これは、正しく動いていないことを考えると見えてきます。
正しい動作ができない時は、ある一定の筋肉が必要以上に頑張りすぎています。
それとは逆に、その筋肉と拮抗する筋肉がサボりすぎている状態。
だから調和が取れずに、本来向かいたい方向に骨が動かず、骨の配列が崩れてしまいます。
それを動作内で分析し、修正して行く事で「筋肉のバランス」「骨の配列」が整い、正しい姿勢や痛みなく軽やかな動きを得ることができるようになります。
これこそが、ピラティスを語る上で欠かせない1番の効果だと私は考えます。
ピラティスの効果とは
これまでピラティスの歴史やヨガとの比較から「ピラティスとは」を説明してきましたが、最後に、これらをより明確にお伝えして行こうと思います。
姿勢や動きの習得
姿勢の崩れや動作の癖。これらを筋肉のアンバランスを見極めながらピラティスメソッドで改善して行くことができます。
痛みの改善
姿勢の崩れや動作が乱れていると言うことは、関節のズレが出ているということ。
すなわち、関節がズレ、骨へ負担をかけたり、神経を圧迫しているということ。
ピラティスの歴史から見ても、リハビリエクササイズとしての効果も大きく期待出来ます。
しなやかに引き締める
先ほどもお伝えしましたが、ピラティスメソッドでは筋肉のアンバランスを改善することが大きな目的になります。
使いすぎてパンっと太くなっている部位もあれば、それと拮抗する筋肉はサボってゆるんでいる状態。
使いすぎ筋は、本来の弾力性を取り戻すことで、しなやかに細くなり、サボり筋は、その機能を取り戻し、呼び起こして行くことでキュッと引き締まってきます。
グラマラスになりたい方は、ダンベルやバーベルのような重りを用いたエクササイズをお勧めしますが、女性特有の丸みを保ちつつ引き締めたい方には、このような筋バランスを整えるピラティスメソッドをお勧めします。
ウエストの引き締め
先ほどお伝えした通り、ピラティスは常にお腹を凹ました状態で行う胸式呼吸を用います。
世間一般でよく行なわれている「クランチ」や「レッグレイズ」ではお腹を凹ませるどころか、寸胴体型を助長し兼ねないと思います。
正しい骨の配列を実現し、姿勢が整えつつ、呼吸でお腹を凹ませて行くことが、ウエストシェイプの近道だと考えます。
このように、さまざまな効果が得られるピラティス。
ただ、私はピラティスだけで全ての効果を導けるとは思っていません。
補えない点も熟知しているつもりです。
なので、当スタジオでは、この素晴らしいピラティスと共に独自の骨格メイキングメソッドを駆使し、お客様に「ピラティス+α」提案を心がけております。
ですので、「ピラティスをしてみたけどよくわからなかった。」「ピラティスをしてみたけど変化がでなかった。」という方は、是非1度ご来店頂けましたら幸いです。